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| きょうのフルヴィアート |
| 2007年11月25日 |
| 先週、サーバー・マシンのハード・ディスクが不調に陥り、突如サイトが表示できなくなりました。これで2度目です。現在、鋭意復旧に努力しておりますが、その間、新しいページだけになりますが、ご覧ください。バックアップは取っておかねばならないものですね、って前の時にもそう思ったのですが。 |
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ずいぶん長い間更新できず、その間、社内的にはいろいろなことがありました。職人が体調を崩して作業が続けられなくなったり、代わりの職人がなかなか見つからなかったり、新しく入社した職人の教育と習熟に時間が掛かったり。 まだ思う通りの作業ができるまでには至らず止まったままの作業もありますが、弊社の歴史の中では最高の技術が提供できる部門も育ち、一歩ずつですが、前に向かって進んでいます。常にスペアの職人を置けるほど利益効率の良い職種ではありません。ご理解いただき、われわれに時間を与えてくださったお客様には心より感謝申し上げます。 |
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先日、東京で開催されました東京コンコース・デレガンスに出場される方のお車を作業させていただきました。オーナーが英国で発掘され、レストアされた車とお聞きしましたが、ご依頼をいただき拝見させていただいたところ、わが国で初めてと称される本格的なコンクールに出場されるのには塗装やディテイルに若干ものたりない部分があるように思われました。オーナーからのご依頼で、パネルの歪み抜きと塗装作業、そして各部のディテイル・アップを行わせていただきましたが、それには左右ドアを外して分解し、左右リア・フェンダーを外し、ボンネットを外し、ガラス類を抜いてといった一連の作業が付随します。しかし、この年代のクルマはネジの相手が「木」ですので外した部品を取り付けると微妙に位置がズレます。鉄と違い、相手が「木」だけに位置の修正がしにくく、造り自体が戦後の車に比べて「いいかげん」ですので、どの作業をとっても普通に考える何倍もの時間が掛かってしまいます。 オーナーからご依頼をいただいたのが開催日まで1ヶ月あるかないかといった時点でしたので、時間的に最初から断念せざるを得ない作業内容や部分もありましたが、まあまあ、お許しいただける範囲内の仕事は出来たのではないかと思います。 クラシックカークラスで銀賞、そしてベスト・レストア・カー賞も同時に獲得されたのは、まさにオーナーの豊富な知識と長期間にわたるご努力の賜物に他なりませんが、他の出場車に比べ、どちらかと言えば地味な存在であるこの車を選ばれた審査員の方々の見識に敬意を表します。そしてわれわれも、ほんの一部ですがお手伝いさせていただいたことを嬉しく思います。 |
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日々雑感 ミシュラン・レストラン・ガイドの東京版が発刊されました。言うまでもなく世界でもっとも厳正かつ信頼を受けるレストラン・ガイドのひとつであることは疑う余地もありません。しかし「味」ほど一定の基準で評価することが困難なことも他にないのではないかと思います。 まず、舌で感じる味覚は全体の10%程度で、ほとんどは視覚と嗅覚、そして聴覚が支配するという話を聞いたことがあります。実際、何も説明を受けず、目をつぶったまま食べると食材の種類すら分からないことがあります。 次に、味などというものは評価する人、あるいはその日の体調によっても評価に大きな違いがあることは明らかです。東北の方と関西の方ではうどんの出し汁ひとつをとっても、美味しいと感じる基準がまったく異なるでしょう。 そういったなかで、ありとあらゆる種類の「味」を一定の基準で評価できる人は素晴らしい知識と経験をお持ちなんだろうと思います。評価や比較などというものは、自分よりレベルの高い人、あるいはその人の造り出したものに対してできるものではないと思うからです。 最近、食に関する本が無数に発行され、インターネットを見てもグルメ・ガイドなるものが氾濫しています。しかし、そういった情報を信じて訪れた店でガッカリされた経験をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。ひとつには商業ベースで行われるガイドが多すぎること。そして、もうひとつは評価された方にプロとしての知識や経験が不足していること。そして何よりも、それを見て食べに行く人は当然ながらプロではありませんので、評価された方とは感覚や基準が大きく違うからだと思います。 クルマの世界でも似たようなことが起こります。雑誌やインターネットを通じて得られる情報が、自分が感じることとは大きく異なることがあります。商業主義や評価する人の知識や経験、あるいは感性に違いがあるからかもしれません。またスペック上の性能が良くても、あるいは一般的な評価が高くても、だからといって自分が運転して楽しいと感じるとは限りません。 要するに、お金を支払うのは自分なのだから、自分が良いと思うものや楽しいと感じるものを選びなさいということだとは思いますが、何が自分の好みや感性に合っているのかすら分からないのでは支払う代金がもったいない。あるいはせっかく入手したものが良いものなのか、あるいは支払った金額に見合うものなのかすら分からなければ、これも悲しいことですね。そのためには、「情報」を得る努力よりも、自分の経験を重ねることのほうが遥かに大切ですし、誰の意見よりも自分の感性を大切にしなくてはならないということだと思います。いずれにしても、多少の「月謝」は必要ですが。 |
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Alfa Romeo Spider Veloce 全塗装中です。色替えですのでエンジン・ルームからトランクまですべて塗装することになります。 まず部品を外すだけでも結構な時間がかかってしまいました。なにせクルマに付いている部品の半分ぐらいを外すことになりますし、次にまた装着する時のことを考えれば慎重、かつ丁寧に作業しなくてはなりません。そのうえ、サイド・ステップなど接着剤でベッタリ付いていますので、傷を付けないように外すだけでもひと苦労です。よくもまあ、こんな造りを、と思ってしまいます。 各部の造りはお世辞にも上手とは申し上げられません。まるで手作りのようです。日本のメーカーでは考えられない造りですが、われわれのように小さなカロッツェリア製のボディを見慣れていますと、それでも良くできているほうですし、間違っても大量生産には見えないところが妙に「いとおしさ」を感じさせてくれます。左右でラインが異なる箇所がありますので、てっきり事故修理でもしたのだろうと思い、部品を外した後で裏から覗きますと鈑金跡がありません。最初から、なのですね。あちこちパネルの隙間から見える部分を黒く塗装しているのですが、なんと筆塗りで、しかもタレています。そしてニンマリ。バンパーを外して裏を見ますと、作った人なのか、誰かのサインが入っていました。また、リア・デッキを見るとRosso Alfa とフェルト・ペンで書いてあります。以前、どの車だったか忘れましたが、エンジンを分解したところ、前に作業した人と思われる誰かのサインを、後からでは絶対に手の入らない部分に発見したことがありました。嬉しいというか、どこか人間臭くてほっとします。 驚いたのは、エンジン・ルームをスチーム洗浄しますと、あちこち塗料が剥げてしまったことです。トランク・ルームも同じです。オート・クリーンという名前の、塗料を侵さないはずの溶液で軽く清掃するだけで塗装が解けます。硬化剤を入れ忘れたのか、それとも質の悪い塗料なのか、一般的には考えられないことです。したがって、すべて下地を入れ、それを磨いてから塗装しなければなりませんので、これまた思っていたよりかなり時間がかかりそうです。塗装自体もメーカーによくある大きなブースで行ったとは思えず、各部にスプレーの端(荒くなって、下地が透けて見えます)があったり、モールを外しますとフロント・ガラスのフレームなど、上半分は塗装してありません。下地のままです。あちこち、黒の上に赤が飛んだり、赤の上に黒が飛んだりと、なんともニギヤカです。 まずは各オープニング・リッドやパンパーなどを取り外し、分解し、ひとつずつ仕上げていきます。もちろん、ガラスも含め外装部品はすべて外します。 |
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| 各部分の小さな錆を取りながら、各パネルの歪みや塗装のマクレをごく少量のパテと研磨で拾っていきます。 |
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| 次に、全体を研磨しながら、歪みを抜いていきます。各部のハイライトやラインがキレに出るよう、特にエッジ部分は丁寧に磨き出します。 |
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| そして、やっとサーフェサー。今回は白(限りなく白に近いグレー)に塗装しますので、サーフェサーは白を使います。前出の画像と比べると、各部のラインやエッジが歪みやゆがみなく出ていることにご注目ください。これからは全面を1500番の耐水紙やすりで丹念に磨き上げていきます。この仕上げが塗装後の塗装面を大きく左右しますので時間と神経を使う部分です。 |
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このあと、オーナーよりいくつかの部品装着を割愛するので、穴を埋めるようご指示がありました。また半歩後退。 いずれにいたしましても弊社のプロセスですと、ここからが時間ばかり経過するのに一向に作業が進んでいないように見える工程です。トンネルの出口が見えるのは、まだまだ先のことですが、決してサボっているわけではありません! |
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Alfa Romeo 75 何年か前にエンジン、ミッションをはじめとしてメカ部分をすべてオーバーホウルされましたが、今回は内装と外装をすべて作業しました。お好みの外装色、お好みの素材と色を選ばれた内装。すべてオーナーのお好み通り。まさに世界で1台だけの「自分のためのクルマ」になりました。総費用は「新車が買えるほど」ではありますが、新車を買うか、愛着のあるクルマを自分の思う通りに仕上げるか、これはオーナーの価値観ですね。それにしても、美しい。 |
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塗装のガン肌 最近は塗料の質や性質も変わり、ごく一部の車種を除き新車のガン肌もずいぶん粗くなってきました。最新の塗料を使って昔ながらのツルっとした塗装面を再現するには以前と異なる作業工程や内容が必要だったり、延々と余分な時間がかかったりします。もともとが鏡面仕上げのクルマですと、やはり同じ仕上げにしてあげないと安っぽく見えてしまいます。手を抜いて薄く溶いた塗料で鏡面っぽくするのではなく、手をかけて磨き出してやらなければなりません、と言葉で言うのは簡単ですが、実際の作業としては塗装前工程、中間工程、後工程と、すべて通常の塗装工程とは異なり、時間もかかります。 左が塗装前の塗装面。真中が新しく塗り上げたばかりの状態。右が仕上がりの状態です。 |
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小技 とあるクルマのアウター・ドア・ハンドル取り付け部分を補修しました。 もともとは小さな膨らみがあるのですが、前に塗装作業を受けた時、板に紙やすりを張った工具で周囲の平面部分を削る際に膨らみまで削ってしまったのでしょう。 まずもともと付いていたパイプを外し、新たにパイプを溶接して周囲をロウ付けで盛り上げます。形を整えた後に、錆止めを塗り、下地を入れます。 手間はかかりますが、小さなこだわりです。 |
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アップデートしなかった間、遊んでいたわけでも、休業していたわけでもありません。やりたくてもまだ習熟不足で出来ない作業も少なくありませんが、それ以外は日々セッセと作業に励んでいました。日常整備から簡単な修理、ヘビー・リペアからボディ・ワーク、そして全塗装と内容も車種も多岐に渡ります。 しかし、あまりにも多すぎてすべてをご紹介することはできません。また、弊社社員のパソコンのハードディスクがクラッシュしたときに失われた画像もありますし、長年使っていたデジカメのスマート・メディアが突如、読み込みも読み出しもできなくなり、ずいぶん画像を失いました。掲載できなかったオーナーにはお詫び申し上げます。 フルヴィアートというと、どうもボディ・ワークばかり目立ってしますようですが、実際にはメカニカル・ワークが仕事量としては上回ります。しかしメカ作業というのは、いくら丁寧な仕事をしても、出来上がってしまうと中に隠れてしまいますし、エンジンの調子がガラリと変わっても、しばらくすれば慣れてしまいます。つい先日も、ヘッドをオーバホウルさせていただいたアルファ 155 のオーナーから驚きに似た喜びのお言葉をいただきましたが、こればかりはいくら言葉でご説明申し上げても、実際に体験してみなければご理解いただけないように思います。作業のビフォー&アフターを経験できるのはオーナーの特権です。 |
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| おまけ |
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この1年で最も嬉しい発見はシチリア産のマンダリン・オレンジ・ジュース。これは今までのオレンジ・ジュースに対する概念を大きく変えてくれました。味と香りが一般的なオレンジ・ジュースとは「かなり」違うのです。もちろん、そのままでも美味しいのですが、カンパリ・オレンジにするとその違いをさらに大きく感じます。甘すぎず、おそらくピールも一緒に搾っているのではないかと思われる独特の香りとごく微かな苦味が嬉しい。あるパティシエにお教えすると大変喜ばれ、後日伺いましたところ、ゼリーにするととても美味しいのだそうです。 考えてみれば、イタリアでオレンジ・ジュースを飲んだ記憶はありません。わずかな浮遊物があったり、フローズンでしか入手できなかったり、そしてジュースとしては価格が少々お高いなどマイナス要因は多いのですが、外で自分の好みではないコーヒーを飲むぐらいなら高くはない。いまから30年以上前ですが、カリフォルニアでオレンジを食べた時に、日本で食べていたカリフォルニア・オレンジとの味の違いに「目から鱗100枚」の思いをした経験があります。本物を知るということ、あるいは本当に自分の好みに合ったものに出会うということは嬉しいものです。 |
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